今回は、輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果等のお知らせです。
農林水産省より、以下のとおり日本産農林水産物・食品(以下「日本産食品」といいます。)の水際検査結果等についてお知らせがありましたので情報共有いたします。
・・・・・・【以下農林水産省からのメール】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
農林水産省から、主な輸出先国・地域(以下「輸出先」といいます。)で最近公表された、日本産農林水産物・食品(以下「日本産食品」といいます。)の水際検査結果等についてお知らせいたします。
〇お知らせ
・農林水産省は、5月28日(水曜日)、北京において、中国海関総署との間で、日本産水産物の輸出再開に必要な技術的要件について協議を行い、合意しました。
令和5年8月のALPS処理水の海洋放出に伴い停止されていた日本産水産物の中国向け輸出に関しては、昨年9月に日中両政府で「日中間の共有された認識」を発表し、IAEAの枠組みの下での追加的モニタリングが実施されるとともに、過去3回にわたり技術協議を実施してきました。
5月28日に北京で開催された4回目の技術協議において、日中双方は、中国向け輸出再開のために必要な技術的要件について合意に至りました。今後、中国側の必要な手続を経て、輸出再開が見込まれます。
https://www.maff.go.jp/j/press/yusyutu_kokusai/kisei/250530.html
・米国の関税措置の影響を受ける農林漁業者・食品事業者等に対して、輸出向けの生産転換や販路確保等を支援する補助金の優先採択等の措置を検討しています。
詳細については以下リンク先をご覧ください。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/250408.html
1.中国(日本産食品の違反件数13件、2025年3月)
・日本産食品の違反件数は全231件中13件(参考:2025年2月は267件中27件)で、国・地域別で違反件数が多かったのは上位から米国(23件)、スペイン(21件)、ブラジル(19件)。
・日本の違反13件全てが上海税関におけるもの。
・公表されている不合格理由は、飲料の「要求に従った証明書又は合格証明書類の未提出」が10件で最多、次いで飲料の「貨物証明書の不一致」が2件。
≪注意≫
・中国は原発事故及びALPS処理水の海洋放出に伴う輸入規制を措置しています。https://www.maff.go.jp/j/export/e_info/attach/pdf/hukushima_kakukokukensa-75.pdf
・中国の輸入食品海外製造企業登録管理システム(国際貿易シングルウィンドウ)に登録されている製造者等の名称、住所等の情報と、産地証明書記載内容が正確に一致していないとして通関が認められない事例が発生しています。
証明書申請の際は、登録された情報と正確に一致していることを十分にご確認ください。
2.台湾(日本産食品の違反件数12件、2025年4月)
・公表された38件の違反のうち、日本産食品の違反件数は12件。内訳は、残留農薬基準超過5件(いちご3件(スピノサド1件、チアクロプリド1件、アクリナトリン及びイソピラザム1件)、かんきつ2件(プロチオホス及びMCPA1件、シアントラニリプロール1件))、重金属基準違反5件(幼児向け菓子中のカドミウム3件、もずく中の無機ヒ素1件、ひじき中の無機ヒ素1件)、汚染物質及び毒素基準違反2件(こめ油1件、ぶどう油1件、いずれもグリシジル脂肪酸エステル)
≪注意≫
・本年3月11日、台湾の残留農薬基準に係る規則が改正され、基準値の見直しがされています。改正後の規定については、下記HPをご確認ください。
(見直し(緩和)の例)
かんしょ/グルホシネート 不検出 ⇒ 0.03 ppm
(台湾衛生福利部HP)
https://www.fda.gov.tw/tc/newsContent.aspx?cid=4&id=t623447
https://www.fda.gov.tw/TC/newsContent.aspx?cid=3&id=30964
・台湾向けいちごについて、衛生福利部食品薬物管理署は、2025年5月31日までの間、日本産いちごの輸入検査において全ロット検査を行う旨発表しています。また、今シーズン、既に残留農薬基準値超過が確認された10件の輸出事業者に対し、日本産いちごの輸入検査申請受理の一時停止(1ヶ月又は3ヶ月)の措置が実施されました。
・台湾向けかんきつについて、昨年から日本産かんきつ(きんかん、うんしゅうみかん等)に係る残留農薬基準値超過が頻発しており、衛生福利部食品薬物管理署は日本産きんかん等「その他生鮮かんきつ類果実」の輸入検査において2025年2月4日から5月21日まで、全ロット検査、2025年6月29日まで抜き取り検査の強化を行う旨を発表しています。また、今シーズン、延べ4件の輸出事業者に対し、日本産かんきつ(きんかん、うんしゅうみかん等)の輸入検査申請受理の一時停止(1ヶ月又は3ヶ月)の措置が実施されました。
・台湾向けメロンについて、2025年6月1日から10月31日まで、抜き取り検査の強化を行う旨を発表しています。
(台湾衛生福利部HP)
https://www.fda.gov.tw/TC/siteContent.aspx?sid=2409
台湾をはじめとする輸出先国・地域への青果物の継続的かつ安定的な輸出を推進していくため、輸出に取り組む事業者の皆様におかれては、台湾の残留農薬基準の確認・順守をお願いいたします。
(農林水産省HP:残留農薬基準値に関する情報)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/zannou_kisei.html
(農林水産省HP:青果物の輸出に係る残留農薬基準順守強化運動について)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/fruits/f_yusyutu/zanryunouyaku.html
・台湾に輸出された乳幼児向け菓子について、本年1月から4月までに16件の重金属基準違反が衛生福利部食品薬物管理署より公表されています。
3.香港(日本産食品の違反件数2件、2025年4月)
・公表された違反は2件(栃木県産もやし及び千葉県産みつば)。香港政府プレスリリースによると、違反理由は、いずれも放射性物質検査証明の添付漏れ。
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20250410_11571.html
≪注意≫
・香港は原発事故及びALPS処理水の海洋放出に伴う輸入規制を措置しています。https://www.maff.go.jp/j/export/e_info/attach/pdf/hukushima_kakukokukensa-61.pdf
・輸入停止品の輸出や必要な書類の不備により、香港税関において輸入不可とされた事案が発生しておりますので、各輸出業者におかれては、香港側の輸入業者と十分に連絡をとり、適切に対応するようにしてください。
4.韓国(日本産食品の違反件数1件、2025年4月)
・食品医薬品安全処から公表された違反は1件。内訳は残留農薬基準の超過(抹茶加工品)。
5.米国(日本産食品の違反件数16件、2025年4 月)
・公表された日本産食品の違反は16件。内訳は、安全でない着色料の含有2件(しょうが及び菓子)、不適切表示4件(しょうが、大根、菓子及びスープ)、着色料使用の不表示7件(しょうが及び菓子)、製造業者として未登録等1件(コーヒー)、食品として不適格1件(菓子)、製造工程の未届け1件(菓子)。
6.EU(日本産食品の違反件数1件、2025年4月)
・公表された日本産食品の違反は1件。内訳は、サプリメント1件(二酸化チタンの含有)。
7.豪州(日本産食品の違反件数1件、2025年3月)
・公表された日本産食品の違反は1件。内訳は、ワカメ1件(ヨウ素の基準値超過)。
8.タイ(日本産食品の違反件数なし、2025年4月)
・同期間において、公表された違反はありませんでした。
【以上】
昨今の日本産食品の輸出の増加に伴い、輸出先の水際検査において残留農薬や食品添加物の基準不適合並びに証明書の不備等を理由に通関できない事案が見られます。輸出先の規則に適合した食品を輸出することは最も重要な基本原則ですので、輸出の際は御注意くださいますようお願いいたします。
なお、本レポートは、参照用として、輸出先当局の公表情報を仮訳し取りまとめたものであるため、最終的な内容の確認はその原文において行われるようお願いします。また、本仮訳が原文と相違する場合は、全て原文が優先します。
(参考:農水省HP)
・輸出先当局による水際検査結果(輸出先当局のHPへのリンク)
https://www.maff.go.jp/j/yusyutu_kokusai/mizugiwa_kekka.html
・諸外国・地域への輸出に関する手続き・制度に関する情報
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_process/index.html
・植物検疫:輸出に関する情報
https://www.maff.go.jp/pps/j/search/detail.html#yusyutu
・動物検疫:日本から輸出される食肉等の受入れ状況一覧
https://www.maff.go.jp/aqs/hou/require/export_meat_list.html
※家きん肉や食用殻付き卵等については、日本国内における高病原性鳥インフルエンザ発生のため一部輸出できない国・地域があります。詳細は動物検疫所のHPを御確認ください。
https://www.maff.go.jp/aqs/topix/exkakin_teishi.html
(お問合せ先)
以下の農水省HPを御参照ください。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_soudan
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以上、情報共有いたします。