今回は、輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果等のお知らせです。
農林水産省から以下のとおりお知らせがありましたので情報共有いたします。
・・・・・・・【以下農林水産省からのメール】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
農林水産省から、主な輸出先国・地域(以下「輸出先」といいます。)で最近公表された、日本産農林水産物・食品(以下「日本産食品」といいます。)の水際検査結果等についてお知らせいたします。
・米国の関税措置の影響を受ける農林漁業者・食品事業者等に対して、輸出向けの生産転換や販路確保等を支援する補助金の優先採択等の措置を検討しています。
詳細については以下リンク先をご覧ください。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/250408.html
・日本産食品を輸出する際に、輸出先国の政府機関から求められる輸出証明書(原発関連証明書を除く。)のうち、
国が発行する輸出証明書については、本年4月1日以降、申請1件あたり870円の手数料の納付が必要となります。
対象の証明書や納付方法等、詳細については以下リンク先をご覧ください。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/hq/i-4/shoumei_charge.html
1.中国(日本産食品の違反件数27件、2025年2月)
・公表された267件の違反のうち、日本産食品の違反件数は27件(参考:2025年1月は357件中7件)で、国・地域別で違反件数が多かったのは上位からデンマーク(34件)、ブラジル(28件)、日本(27件)。
・日本の違反27件のうち、広州税関におけるものが11件で最多。
・公表されている不合格理由は、菓子の「自主回収」が11件で最多、次いで「要求に従った証明書又は合格証明書類の未提出」が7件。
≪注意≫
・中国は原発事故及びALPS処理水の海洋放出に伴う輸入規制を措置しています。https://www.maff.go.jp/j/export/e_info/attach/pdf/hukushima_kakukokukensa-75.pdf
・中国の輸入食品海外製造企業登録管理システム(国際貿易シングルウィンドウ)に登録されている製造者等の名称、住所等の情報と、産地証明書記載内容が正確に一致していないとして通関が認められない事例が発生しています。
証明書申請の際は、登録された情報と正確に一致していることを十分にご確認ください。
2.台湾(日本産食品の違反件数10件、2025年3月)
・公表された29件の違反のうち、日本産食品の違反件数は10件。内訳は、残留農薬基準超過8件(いちご3件(シフルメトフェン、ホスチアゼート、メパニピリム各1件)、ゆず2件(ボスカリド及びクレソキシムメチル1件、ボスカリド、クレソキシムメチル及びテブコナゾール1件)、きんかん2件(いずれもフルベンジアミド)、カレー粉1件(ホスフィン))、重金属基準違反2件(幼児向け菓子1件、イカ1件、いずれもカドミウム)。
≪注意≫
・本年3月11日、台湾の残留農薬基準に係る規則が改正され、基準値の見直しがされています。改正後の規定については、下記HPをご確認ください。
(見直し(緩和)の例)
かんしょ/グルホシネート 不検出 ⇒ 0.03 ppm
(台湾衛生福利部HP)
https://www.fda.gov.tw/tc/newsContent.aspx?cid=4&id=t623447
https://www.fda.gov.tw/TC/newsContent.aspx?cid=3&id=30964
・台湾向けいちごについて、衛生福利部食品薬物管理署は、2025年5月31日までの間、日本産いちごの輸入検査において全ロット検査を行う旨発表しています。昨シーズンは、本検査で残留農薬基準値超過が確認された場合、当該輸出事業者からの日本産いちごの輸入検査申請の受理を一定期間停止する措置が実施されました。また、今シーズンも、既に9輸出事業者に対し、日本産いちごの輸入検査申請受理の一時停止の措置が実施されました。
・台湾向けかんきつについて、昨年12月から日本産きんかんに係る残留農薬基準値超過が頻発しており、衛生福利部食品薬物管理署は2025年2月4日から5月14日まで、日本産きんかんの輸入時検査において全ロット検査を行う旨発表しています。また、今シーズン、1件の輸出事業者に対し、日本産きんかんの輸入検査申請受理の一時停止(1ヶ月)の措置が実施されました。 また、日本産うんしゅうみかんについても、昨年から残留農薬基準値超過が頻発しており、今年に入って、1件の輸出事業者に対し、日本産うんしゅうみかんの輸入検査申請受理の一時停止(1ヶ月)の措置が実施されました。
(台湾衛生福利部HP)
https://www.fda.gov.tw/TC/siteContent.aspx?sid=2409
台湾をはじめとする輸出先国・地域への青果物の継続的かつ安定的な輸出を推進していくため、輸出に取り組む事業者の皆様におかれては、台湾の残留農薬基準の確認・順守をお願いいたします。
(農林水産省HP:残留農薬基準値に関する情報)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/zannou_kisei.html
(農林水産省HP:青果物の輸出に係る残留農薬基準順守強化運動について)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/fruits/f_yusyutu/zanryunouyaku.html
・かんしょの輸出について、「土の付着」が原因で台湾における輸入植物検疫不合格となった事例は、2022年9月から2024年12月の間で4件でした(台湾植物検疫当局からの情報提供)。
・台湾に輸出された乳幼児向け菓子について、本年1月から4月14日までに16件の重金属基準違反が衛生福利部食品薬物管理署より公表されています。
3.香港(日本産食品の違反件数なし、2025年3月)
・同期間において、公表された違反はありませんでした。
≪注意≫
・香港は原発事故及びALPS処理水の海洋放出に伴う輸入規制を措置しています。https://www.maff.go.jp/j/export/e_info/attach/pdf/hukushima_kakukokukensa-61.pdf
・輸入停止品の輸出や必要な書類の不備により、香港税関において輸入不可とされた事案が発生しておりますので、各輸出業者におかれては、香港側の輸入業者と十分に連絡をとり、適切に対応するようにしてください。
4.韓国(日本産食品の違反件数1件、2025年3月)
・食品医薬品安全処から公表された違反は1件。内訳はナイアシンの基準値超過(健康機能食品)。
5.米国(日本産食品の違反件数10件、2025年3 月)
・公表された日本産食品の違反は10件。内訳は、食品として不適格2件(お茶)、未承認着色料の含有1件(菓子)、サルモネラ菌の含有1件(ペット用おやつ)、着色料使用の不表示2件(しょうが)、不適切表示4件(ジュース、ホタテ及びこんにゃく)。
6.豪州(日本産食品の違反件数1件、2025年3月)
・公表された日本産食品の違反は1件。内訳は、昆布1件(ヨウ素の基準値超過)。
7. EU(日本産食品の違反件数なし、2025年3月)
・同期間において、公表された違反はありませんでした。
〇お知らせ
EUのEUDR(森林減少防止に関する規則)は、2023年6月に発効し、本年末より適用開始となります。
本規則は、森林減少防止を目的として、EU域内で流通するゴム、木材、牛、アブラヤシ、カカオ、大豆、コーヒー及びその関連製品に関し、当該品目の生産において森林減少を引き起こしていないこと等の確認を義務化するものです。
農林水産省、経済産業省は、下記日程でEUDRにより事業者が求められる対応についての説明会を開催します。
日時:第1回 2025年5月22日(木)17:00~18:00
第2回 2025年5月29日(木)10:00~11:00
(両日とも、同じ内容の説明となります)
形式:オンライン開催
申込フォーム:こちら
(セミナーに関するお問合せ先)輸出・国際局規制対策グループ 03-6744-1775
8.タイ(日本産食品の違反件数なし、2025年3月)
・同期間において、公表された違反はありませんでした。
【以上】
昨今の日本産食品の輸出の増加に伴い、輸出先の水際検査において残留農薬や食品添加物の基準不適合並びに証明書の不備等を理由に通関できない事案が見られます。
輸出先の規則に適合した食品を輸出することは最も重要な基本原則ですので、輸出の際は御注意くださいますようお願いいたします。
なお、本レポートは参照用として輸出先当局の公表情報を仮訳し取りまとめたものであるため、最終的な内容の確認はその原文において行われるようお願いします。
また、本仮訳が原文と相違する場合は、全て原文が優先します。
(参考:農水省HP)
・輸出先当局による水際検査結果(輸出先当局のHPへのリンク)
https://www.maff.go.jp/j/yusyutu_kokusai/mizugiwa_kekka.html
・諸外国・地域への輸出に関する手続き・制度に関する情報
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_process/index.html
・植物検疫:輸出に関する情報
https://www.maff.go.jp/pps/j/search/detail.html#yusyutu
・動物検疫:日本から輸出される食肉等の受入れ状況一覧
https://www.maff.go.jp/aqs/hou/require/export_meat_list.html
※家きん肉や食用殻付き卵等については、日本国内における高病原性鳥インフルエンザ発生のため一部輸出できない国・地域があります。詳細は動物検疫所のHPを御確認ください。
https://www.maff.go.jp/aqs/topix/exkakin_teishi.html
(お問合せ先)
以下の農水省HPを御参照ください。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_soudan
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以上、情報共有いたします。