一般社団法人
全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会
NEWS
2022.09.12

【輸出の際の参考情報】輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果について

農林水産省輸出・国際局輸出支援課及び国際地域課より、先日よりご案内しております、輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果に関する外部サイトの更新の連絡がありましたので、共有いたします。

(以下案内文)
輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果のトピック
(主な輸出先で本年6月に公表または確認された情報を基に作成)

現在我が国は、日本産農林水産物・食品(以下「日本産食品等」)の輸出額を2030年に5兆円とすることを目指すという目標を掲げ、官民が一体となって輸出に取り組んでいます。昨今の輸出の増加に伴い、輸出先国・地域(以下「輸出先」)の水際検査において日本産食品等が残留農薬や食品添加物の基準不適合等を理由に通関出来ない事案が見られます。輸出先の安全規則に適合した食品を輸出することは最も重要な基本原則です。
日本産食品等の更なる輸出拡大に資するよう、主な輸出先で最近公表された水際検査結果を以下のとおり整理しました。輸出に取り組まれる皆様の参考になれば幸いです。

<公表URL>
https://www.maff.go.jp/j/yusyutu_kokusai/mizugiwa_kekka.html

  1. 中国(日本産食品の違反件数は5件。海関総署2022年6月)
    ・日本産食品等の違反件数は5件で全体(353件)の1%強にとどまり、前月の19件(全体185件の10%強)から件数、全体に占める割合ともに減少した。国・地域別で違反件数が多かったのは上位からベトナム(82件)、イギリス(50件)、台湾(41件)、フランス(36件)、パキスタン(24件)。
    ・日本の違反5件のうち、重慶税関における違反件数が2件で最多。
    ・公表されている主な違反理由は添加物の「証明書不合格」(2件)等。

≪注意≫
・中国では、10都県(福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、長野、新潟)を経由したすべての食品・飼料等(新潟県産米を除く)について、輸入停止措置が講じられています(10都県以外については農水省HPを参照)。 https://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/pdf/sum_ch.pdf
・本年3月以降、上記10都県にある空港、港等を経由した10都県以外で製造された製品について、中国税関において輸入不可とされた事案が発生しています。中国への輸出の際にはご留意ください。

2.台湾(日本産食品等の違反件数6件。衛生福利部食品薬物管理署2022年7月)(参考2)
・公表された66件(容器包装の溶出基準超過4件を含む)の違反のうち、日本産食品等の違反件数は6件であり、その内訳は、残留農薬基準違反4件(生鮮みかん及び生鮮さくらんぼ中のシアントラニリプロール各1件、抹茶ミルクオレ飲料粉末中のクロラントラニリプロール1件、カップ麺中のエチレンオキサイド1件)、重金属等汚染物質基準違反1件(キビナゴ中のカドミウム)、食品添加物規格基準違反1件(納豆ふりかけ中のステビオール)。

≪注意≫
・(速報版)8月に台湾向けもも生果実の残留農薬基準違反が7件(クロルピリホス(基準値0.01ppm)5件、オキソリニック酸(基準値:不検出)2件)公表されています。輸出の際は台湾の残留農薬基準を遵守してください。クロルピリホスに関する規制変更については参考情報をご覧ください。
・7月に台湾向けもも生果実の輸出に携わる選果梱包施設関係者、輸出業者などが、植物防疫所の輸出検査を受けるに当たり偽造した書類を提出し、台湾側の検疫条件を満たしていないもも生果実を輸出した疑いで逮捕される事案が発生しました。
 このような行為は、日本の輸出検疫に対する諸外国からの信頼を揺るがせるおそれがあり、植物防疫法及び関係法令などの遵守徹底をお願いいたします。
・水際では、上記の理化学検査のほか、表示内容の確認も行われます。理化学検査の結果、残留農薬基準値違反等が判明すれば当該製品の輸入は認められませんが、表示内容の不備については、適切に改善されれば輸入が認められます。しかしながら、当局とのやり取りにより、通関に時間を要することが想定されますので、食品表示に関する関連規則(一般表示、食品アレルゲン表示、栄養成分表示、強調表示等)について、改めて確認をお願いいたします。
・台湾・衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)は、12月31日まで日本産生鮮温州みかんの全ロット検査を発表しており、当該品目は台湾側が懸念している品目となります。輸出の際は台湾の残留農薬基準を遵守してください。

<参考情報>
・7月1日から、台湾向け輸出貝類(活貝類を除く)の衛生証明書の申請受付先・受取場所が変更になりました。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/hq/i-4/shoumei_220701.html
・台湾におけるクロルピリホス(農薬名:ダーズバン)の残留基準値が2022年5月25日付けで改正され、5月27日から有効となりました。日本において、クロルピリホスを主成分とする農薬の適用作物となっている梨果類(りんごやもも、なし(西洋なしを含む)等)、かんきつ類及び大豆について、残留農薬基準値が削除(※)されました。輸出の際には台湾の残留農薬基準の確認・遵守をお願いいたします。
(※)クロルピリホスの基準値削除品目については、
1.当該品目を含む作物グループに適用される基準値
2.当該品目を含む作物グループに適用される基準値がない場合は、以下の分類ごとの基準値(台湾当局が定めるクロルピリホス分析法の検出下限値)が適用されます。
・(生鮮)果物・野菜・香辛料植物・その他ハーブ・・・0.01ppm
・穀物・乾燥豆類・・・0.02ppm
・(乾燥)茶*・果物・野菜・香辛料植物・その他ハーブ・・・0.05ppm
*2022年5月25日付け改正後も茶については作物グループ「茶類」の基準値2.0ppmが維持されるため当該2.0ppmが適用されます。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/taiwan_chlorpyrifos.html

3.その他
〇EU(1件、2022年7月公表分)(参考3)
・米に認められていない物質(トリシクラゾール)の検出 (1件)

○豪州(3件、2022年5月公表分 ※2022年6月公表分には該当なし)(参考4)
・冷凍サバ、サバ加工品における真正細菌(リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes))の検出(2件)。
・梅干しに許可されていない食品添加物(ベニコウジ色素)の含有(1件)。

○米国(15件、2022年7月公表分)(参考5)
・キャンディー、サプリメント、米製品の不適正表示(英語による表示不足、成分表示不足、米国内コンタクトの未表示)(12件)
・アンチョビ、ウメ製品(不衛生施設での生産・加工)(2件)
・エノキタケ(サルモネラ菌の含有疑い)(1件)

○タイ・香港
・タイは 2021年8月~2022年8月3日公表分まで(参考6)、香港は2021年1月~2022年7月(参考7)の違反事例なし。

〇韓国(1件、2022年7月)(参考8)
・水産物(ホタテ)の活力度(鮮度)不適合。活魚・貝類の活力度は、食薬処告示「輸入水産物検査に関する規程」において「食品の基準及び規格」で定めた内容に基づくことが定められており、(官能検査の際の具体的な項目(注)が規定されている)「食品の基準及び規格」に基づいて判断した結果、不適合と判断されたもの。
(注)共通項目として外観、色、選別(均一性、混入物の有無)のほか、活魚・貝類の場合は、病害虫の跡の有無、活力度の良不良等で判断される。

<参考情報>
韓国の「輸入水産物検査に関する規程」
https://www.law.go.kr/LSW/admRulLsInfoP.do?admRulSeq=2100000212993&vSct=%EC%88%98%EC%9E%85%EC%88%98%EC%82%B0%EB%AC%BC%20%EA%B2%80%EC%82%AC%EC%97%90%20%EA%B4%80%ED%95%9C%20%EA%B7%9C%EC%A0%95

お問合せ先:
以下の農林水産省ウェブサイトを御参照ください。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_soudan/

(参考1)中国の輸入規制に関する情報
・中国海関総署進出口食品安全局(中国当局HP)
http://jckspj.customs.gov.cn/spj/zwgk75/2706876/index.html

(参考2)台湾の輸入規制に関する情報
・違反事例違反リスト(台湾当局HP)
https://www.fda.gov.tw/UnsafeFood/UnsafeFood.aspx?dateS=&dateE=&country=%e%206%97%a5%e6%9c%ac&productname=&keyword=
・残留農薬基準リスト(台湾当局HP)
https://consumer.fda.gov.tw//Law/Detail.aspx?nodeID=518&lawid=127
・水際での検査強化リスト(台湾当局HP)
https://www.fda.gov.tw/TC/siteContent.aspx?sid=2409

(参考3)EUの輸入規制に関する情報
・EU RASFF(Rapid Alert System for Food and Feed)(EU当局HP) https://webgate.ec.europa.eu/rasff-window/screen/search

(参考4)豪州の輸入規制に関する情報
・農水林業省(豪州当局HP)
https://www.agriculture.gov.au/biosecurity-trade/import/goods/food/inspection-testing/failing-food-reports

(参考5)米国の輸入規制に関する情報
・違反事例リスト(米国当局HP)
https://www.accessdata.fda.gov/scripts/ImportRefusals/index.cfm
・インポートアラート(米国当局HP)
https://www.accessdata.fda.gov/cms_ia/country_JP.html
・違反事例に関する報告(米国当局HP)
https://www.fsis.usda.gov/taxonomy/term/19

(参考6)タイの輸入規制に関する情報
・残留農薬検査の結果リスト(タイ当局HP)
https://www.fda.moph.go.th/sites/Logistics/SitePages/DisplayNews.aspx?IDitem=6&List=ImportsNews

(参考7)香港の輸入規制に関する情報
・食物安全報告(香港当局HP)
https://www.cfs.gov.hk/tc_chi/consumer_zone/foodsafety_surveillance.html

(参考8)韓国の輸入規制に関する情報
・違反事例リスト(韓国当局HP)
https://impfood.mfds.go.kr/CFCEE01F01/getList?page=1&limit=10&cntntsSn=&sr%20chClassCd=&searchCondition=pdNm&searchInpText=

(その他)
・諸外国・地域への輸出に関する手続き・制度に関する情報(農水省HP)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_process/index.html
・植物検疫に関する情報(農水省HP)
https://www.maff.go.jp/pps/index.html

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