一般社団法人
全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会
NEWS
2022.10.18

【輸出の際の参考情報】輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果について

農林水産省輸出・国際局輸出支援課及び国際地域課よりご案内しております、輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果に関する外部サイトの更新の連絡がありましたので、共有いたします。以下の案内をご覧いただき、輸出に際してご参考にしてください。

(以下案内文)
輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果のトピック
(主な輸出先で本年7~8月に公表または確認された情報を基に作成)

現在我が国は、日本産農林水産物・食品(以下「日本産食品等」)の輸出額を2030年に5兆円とすることを目指すという目標を掲げ、官民が一体となって輸出に取り組んでいます。昨今の輸出の増加に伴い、輸出先国・地域(以下「輸出先」)の水際検査において日本産食品等が残留農薬や食品添加物の基準不適合等を理由に通関出来ない事案が見られます。輸出先の安全規則に適合した食品を輸出することは最も重要な基本原則です。
日本産食品等の更なる輸出拡大に資するよう、主な輸出先で最近公表された水際検査結果を以下のとおり整理しました。輸出に取り組まれる皆様の参考になれば幸いです。

<公表URL>
 https://www.maff.go.jp/j/yusyutu_kokusai/mizugiwa_kekka.html

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1.中国(日本産食品の違反件数は10件。海関総署2022年7月)(参考1)
・日本産食品の違反件数は10件で全体(223件)の4%強となり、前月の5件(全体353件の1%強)から件数、全体に占める割合とも増加した。国・地域別で違反件数が多かったのは上位からベトナム(52件)、台湾(18件)、英国及びタイ(17件)、ドイツ及び米国(14件)。
・日本の違反10件のうち、深セン税関における違反件数が5件で最多。次いで重慶税関が4件。
・公表されている主な違反理由は菓子類の「禁止地域からの輸入」(5件)、酒類の「要求に従った証明書又は合格証明資料の未提出」(4件)。

≪注意≫
・中国では、10都県(福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、長野、新潟)を経由したすべての食品・飼料等(新潟県産精米を除く)について、輸入停止措置が講じられています(10都県以外については農水省HPを参照)。
https://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/pdf/sum_ch.pdf
・本年3月以降、上記10都県にある空港、港、陸路等を経由した10都県以外で製造された製品について、中国税関において輸入不可とされた事案が発生しています。
・加えて、8月には、深セン税関にて10都県以外で製造された製品(酒類)の不合格が43件あり、その事由の多くが10都県の港からの輸出でした。酒類に限らず、中国へ輸出される際はご留意ください。

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2.台湾(日本産食品等の違反件数17件(容器包装の溶出基準超過2件を含む)。衛生福利部食品薬物管理署2022年8月)(参考2)
・公表された93件(容器包装の溶出基準超過13件を含む)の違反のうち、日本産食品等の違反件数は17件(同2件を含む)であり、その内訳は、残留農薬基準違反14件(生鮮もも中のクロルピリホス5件、オキソリニック酸2件、生鮮メロン中のニテンピラム1件、フェニトロチオン1件、カップ麺中のエチレンオキシド2件、しその葉中のエトキサゾール及びエマメクチン安息香酸塩1件、生鮮さくらんぼ中のシアントラニリプロール1件、だいこん中のフルオピラム1件)、重金属等汚染物質基準違反1件(乾燥わかめ中のカドミウム)。

≪注意≫
・8月公表分において生鮮ももの残留農薬基準違反が7件(クロルピリホス5件、オキソリニック酸2件)と頻発し、台湾内でも報道されました。

【今般不合格となった「クロルピリホス」の残留農薬基準は、今後輸出シーズンを迎える「かんきつ類」、「りんご」等にも適用されます。輸出の際は台湾の残留農薬基準を遵守してください。クロルピリホスに関する規制変更については参考情報をご覧ください。】

・7月に台湾向けもも生果実の輸出に携わる選果梱包施設関係者、輸出業者などが、植物防疫所の輸出検査を受けるに当たり偽造した書類を提出し、台湾側の検疫条件を満たしていないもも生果実を輸出した疑いで逮捕される事案が発生しました。
・このような行為は、日本の輸出検疫に対する諸外国からの信頼を揺るがせるおそれがあり、植物防疫法及び関係法令などの遵守徹底をお願いいたします。

<参考情報>
・台湾におけるクロルピリホス(農薬名:ダーズバン)の残留基準値が2022年5月25日付けで改正され、5月27日から有効となりました。日本において、クロルピリホスを主成分とする農薬の適用作物となっている梨果類(りんごやもも、なし(西洋なしを含む)等)、かんきつ類及び大豆について、台湾では残留農薬基準値が削除※されています。輸出の際には台湾の残留農薬基準の確認・遵守をお願いいたします。
※ クロルピリホスの基準値削除品目については、
1.当該品目を含む作物グループに適用される基準値
2.当該品目を含む作物グループに適用される基準値がない場合は、以下の分類ごとの基準値(台湾当局が定めるクロルピリホス分析法の検出下限値)が適用されます。
・(生鮮)果物・野菜・香辛料植物・その他ハーブ・・・0.01ppm
・穀物・乾燥豆類・・・0.02ppm
・(乾燥)茶*・果物・野菜・香辛料植物・その他ハーブ・・・0.05ppm
*2022年5月25日付け改正後も茶については作物グループ「茶類」の基準値2.0ppmが維持されるため当該2.0ppmが適用されます。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/taiwan_chlorpyrifos.html

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3.その他
○米国(6件、2022年8月公表分)(参考3)
・キャンディー、サプリメントの不適正表示(英語による表示不足、成分表示不足、米国内販売者等の表示なし、人工着色料の表示なし等)(3件)。
・ウメ製品の規格不合致品(鉛の含有疑い)(3件)。

○韓国(1件、2022年8月)(参考4)
・抹茶の残留農薬基準値(ジノテフラン)の超過。

○シンガポール(1件、2022年1~6月)
・冷蔵骨なし牛肉の大腸菌数の基準値超過。

○EU・タイ・香港
・EUは2022年8月公表分(参考5)、豪州は2022年7月公表分(参考6)、タイは 2021年8月~2022年8月3日公表分まで(参考7)、香港は2021年1月~2022年8月(参考8)の違反事例なし。

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お問合せ先:
以下の農林水産省ウェブサイトを御参照ください。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_soudan/

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(参考1)中国の輸入規制に関する情報
・中国海関総署進出口食品安全局(中国当局HP)
http://jckspj.customs.gov.cn/spj/zwgk75/2706876/index.html

(参考2)台湾の輸入規制に関する情報
・違反事例違反リスト(台湾当局HP)
https://www.fda.gov.tw/UnsafeFood/UnsafeFood.aspx?dateS=&dateE=&country=%e%206%97%a5%e6%9c%ac&productname=&keyword=
・残留農薬基準リスト(台湾当局HP)
https://consumer.fda.gov.tw//Law/Detail.aspx?nodeID=518&lawid=127
・水際検査について(台湾当局HP)
https://www.fda.gov.tw/TC/site.aspx?sid=2403&r=1827621099

(参考3)米国の輸入規制に関する情報
・違反事例リスト(米国当局HP)
https://www.accessdata.fda.gov/scripts/ImportRefusals/index.cfm
・インポートアラート(米国当局HP)
https://www.accessdata.fda.gov/cms_ia/country_JP.html
・違反事例に関する報告(米国当局HP)
https://www.fsis.usda.gov/taxonomy/term/19

(参考4)韓国の輸入規制に関する情報
・違反事例リスト(韓国当局HP)
https://impfood.mfds.go.kr/CFCEE01F01/getList?page=1&limit=10&cntntsSn=&sr%20chClassCd=&searchCondition=pdNm&searchInpText=

(参考5)EUの輸入規制に関する情報
・EU RASFF(Rapid Alert System for Food and Feed)(EU当局HP)
https://webgate.ec.europa.eu/rasff-window/screen/search

(参考6)豪州の輸入規制に関する情報
・農水林業省(豪州当局HP)
https://www.agriculture.gov.au/biosecurity-trade/import/goods/food/inspection-testing/failing-food-reports

(参考7)タイの輸入規制に関する情報
・残留農薬検査の結果リスト(タイ当局HP)
https://www.fda.moph.go.th/sites/Logistics/SitePages/DisplayNews.aspx?IDitem=6&List=ImportsNews

(参考8)香港の輸入規制に関する情報
・食物安全報告(香港当局HP)
https://www.cfs.gov.hk/tc_chi/consumer_zone/foodsafety_surveillance.html

(その他)
・諸外国・地域への輸出に関する手続き・制度に関する情報(農水省HP)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_process/index.html
・植物検疫に関する情報(農水省HP)
https://www.maff.go.jp/pps/index.html

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