一般社団法人
全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会
NEWS
2025.01.17

【情報提供】輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における
水際検査結果(2025年1月)

今回は、輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果(2025年1月)の情報共有です。

農林水産省輸出・国際局輸出支援課、国際地域課及び規制対策グループより、定期的にご案内しております、輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果に関するお知らせがありましたので、共有いたします。

・・・・・・【以下農林水産省からのメール】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

農林水産省から、主な輸出先国・地域(以下「輸出先」といいます。)で最近公表された水際検査結果等についてお知らせいたします。

昨今の日本産農林水産物・食品(以下「日本産食品」といいます。)の輸出の増加に伴い、輸出先の水際検査において残留農薬や食品添加物の基準不適合並びに証明書の不備等を理由に通関できない事案が見られます。輸出先の規則に適合した食品を輸出することは最も重要な基本原則ですので、輸出の際は御注意くださいますようお願いいたします。

〇お知らせ

・農林水産物・食品を輸出する際に、輸出先国の政府機関から求められる輸出証明書(原発関連証明書を除く。)のうち、国が発行する輸出証明書については、令和7(2025)年4月1日以降、申請1件あたり870円の手数料の納付が必要となります。

対象の証明書や納付方法等、詳細については以下リンク先をご覧ください。

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/hq/i-4/shoumei_charge.html

1.中国(日本産食品の違反件数19件、2024年10月)

・日本産食品の違反件数は全198件中19件(参考:9月は全471件中32件)で、国・地域別で違反件数が多かったのは上位から米国(29件)、カナダ(21件)、日本(19件)。

・日本の違反19件のうち、青島税関におけるものが14件で最多。

・公表されている不合格理由は、酒類の「貨物証明書の不一致」が14件で最多。次いで菓子等の「不許可製品」が2件。

≪注意≫

・中国は原発事故及びALPS処理水の海洋放出に伴う輸入規制を措置しています。

https://www.maff.go.jp/j/export/e_info/attach/pdf/hukushima_kakukokukensa-75.pdf

・上記10都県以外で製造された製品であっても、10都県を経由したことを理由として、中国税関において輸入不可とされた事案が発生しています。

https://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/attach/pdf/china_shoumei-11.pdf

・中国の輸入食品海外製造企業登録管理システム(国際貿易シングルウィンドウ)に登録されている製造者等の名称、住所等の情報と、産地証明書記載内容が正確に一致していないとして通関が認められない事例が発生しています。

 証明書申請の際は、登録された情報と正確に一致していることを十分にご確認ください。

2.台湾(日本産食品の違反件数13件、2024年11月)

・公表された85件の違反のうち、日本産食品の違反件数は13件。内訳は、残留農薬基準超過12件(キウイ1件(ブプロフェジン及びフルバリネート)メロン2件(テトラニリプロール1件、エトフェンプロックス、フェントエート及びピフルブミド1件)、ねぎ1件(シアントラニリプロール)、柿1件(クロルフルアズロン)、うんしゅうみかん5件(フェントエート4件、メタフルミゾン1件)、ゆず1件(ボスカリド及びテブコナゾール)、りんご1件(テトラジホン))、汚染物質基準違反1件(玄米中の無機ヒ素)。

≪注意≫

・台湾向けいちごについて、衛生福利部食品薬物管理署は、2025年5月31日までの間、日本産いちごの輸入検査において全ロット検査を行う旨発表しています。また、昨シーズンは、本検査で残留農薬基準超過が確認された場合、当該輸出事業者からの日本産いちごの輸入検査申請の受理を一定期間停止する措置が実施されました。輸出に取り組む事業者におかれては、引き続き台湾の残留農薬基準の確認・順守をお願いします。

(農水省HP:残留農薬基準値に関する情報)

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/zannou_kisei.html

なお、昨年11月、台湾の残留農薬基準に係る規則が改正され、基準値の見直しがされています。改正後の規定については、下記HPをご確認ください。

(見直し(緩和)の例)

りんご/イプフルフェノキン 1.5 ppm

(台湾衛生福利部HP)

https://www.fda.gov.tw/tc/newsContent.aspx?cid=3&id=30815

・台湾向け青果物について、昨年7月から日本産うんしゅうみかんに係る残留農薬基準値超過が頻発しており、衛生福利部食品薬物管理署は2024年9月16日から2025年3月15日まで、日本産うんしゅうみかんの輸入時検査において全ロット検査を行う旨発表しています。また、日本産うんしゅうみかんについては、先月まで3事業者が輸入検査申請の一時停止となっていました。

(台湾衛生福利部HP)

https://www.fda.gov.tw/TC/siteContent.aspx?sid=2409

台湾をはじめとする輸出先国・地域への青果物の継続的かつ安定的な輸出を推進していくため、輸出に取り組む事業者の皆様におかれては、台湾の残留農薬基準の確認・順守をお願いいたします。

(農林水産省HP:残留農薬基準値に関する情報)

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/zannou_kisei.html

(農林水産省HP:青果物の輸出に係る残留農薬基準順守強化運動について)

https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/fruits/f_yusyutu/zanryunouyaku.html

・台湾の「食品中の汚染物質及び毒素に関する衛生基準」が改正され、2026年1月1日に施行予定となっています。主な改正点として、チョコレートおよびカカオパウダーに関してカドミウムの基準値が新設されています。改正後の規定については、下記HPをご確認ください。

(台湾衛生福利部HP)

https://www.fda.gov.tw/tc/newsContent.aspx?cid=3&id=30831

3.香港(日本産食品の違反件数1件、2024年11月)

・公表された違反は1件(乾燥魚製品)。違反理由は、ALPS処理水放出に伴う10都県産水産物の輸入停止関連であり、香港当局のプレスリリースによれば、埼玉県で加工された疑いがあるとのこと。

・香港当局のプレスリリース

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20241119_11274.html

≪注意≫

・香港は原発事故及びALPS処理水の海洋放出に伴う輸入規制を措置しています。https://www.maff.go.jp/j/export/e_info/attach/pdf/hukushima_kakukokukensa-61.pdf

・輸入停止品の輸出や必要な書類の不備により、香港税関において輸入不可とされた事案が発生しておりますので、各輸出業者におかれては、香港側の輸入業者と十分に連絡をとり、適切に対応するようにしてください。

4.韓国(日本産食品の違反件数1件、2024年11月)

・食品医薬品安全処から公表された違反は1件。内訳は金箔(食品添加物)からの銅の超過検出1件。

5.タイ

≪お知らせ≫

・シャインマスカットの残留農薬検査強化の情報を受け、農水省は、輸出支援プラットフォーム等を通じ、タイ政府への働きかけや関連事業者に検査の実態について聞き取りを行う等、対応を続けておりましたが、この度、複数の関連事業者から、日本産シャインマスカットの検査強化カテゴリーへの格上げが終了した旨の情報提供がありましたので、お知らせいたします。

なお、タイ政府は、中国産と原産地不明のシャインマスカットのサンプルから基準値を超える残留農薬が検出されたことを受け、2024年10月、シャインマスカットの輸入時における残留農薬検査の件数を増やすことを発表していました。

(ジェトロビジネス短信)

https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/11/096e94fddaac482d.html

(農林水産省HP:残留農薬基準値に関する情報)

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/zannou_kisei.html

6.フィリピン

≪お知らせ≫

・2024年12月15日、フィリピン政府は日本産のいちご生果実について、輸入を解禁する旨発表しました。輸出にあたって、フィリピンからいちごの生果実に係る検疫条件を満たす必要がございます。輸出を希望される方は、下記HPから詳細をご確認いただき、対応いただきますようお願いいたします。

(農水省HP)

https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/syokubo/241213.html

7.米国(日本産食品の違反件数23件、2024年11月)

・公表された日本産食品の違反は23件。内訳は、不適切表示18件(茶、小麦粉、コーヒー、しいたけスープ、胡椒、日常食、栄養食品及び麺類)、不衛生下での保管等2件(ヒラマサ)、安全でない着色料含有3件(大根及びしょうが)。

8.EU(日本産食品の違反件数1件、2024年11月)

・公表された日本産食品の違反は1件。その1件(菓子)の違反理由は、E440(ペクチン)の含有(E440は、ミニカップ及びゼリーへの使用が禁止されている)。

≪お知らせ≫

EUでは、EU域内で流通する特定の品目(※)について生産時に森林減少を引き起こしていないことの確認(森林デューデリジェンス)等を義務化する規則の適用開始が2024年12月30日から1年間延期され、2025年12月30日から(小規模・零細事業者は2026年6月30日から)適用されることとなりました。

(森林減少防止に関する規則(Regulation(EU)2023/1115))

https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A02023R1115-20230609

(農水省HP)

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/EUDR.html

(※ ゴム、木材、牛、パーム油、カカオ、大豆、コーヒー及びその関連製品)

【以上】

なお、本レポートは、参照用として、輸出先当局の公表情報を仮訳し取りまとめたものであるため、最終的な内容の確認はその原文において行われるようお願いします。また、本仮訳が原文と相違する場合は、全て原文が優先します。

(参考:農水省HP)

・輸出先当局による水際検査結果(輸出先当局のHPへのリンク)

https://www.maff.go.jp/j/yusyutu_kokusai/mizugiwa_kekka.html

・諸外国・地域への輸出に関する手続き・制度に関する情報

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_process/index.html

・植物検疫:輸出に関する情報

https://www.maff.go.jp/pps/j/search/detail.html#yusyutu

・動物検疫:日本から輸出される食肉等の受入れ状況一覧

https://www.maff.go.jp/aqs/hou/require/export_meat_list.html

※家きん肉や食用殻付き卵等については、日本国内における高病原性鳥インフルエンザ発生のため一部輸出できない国・地域があります。詳細は動物検疫所のHPを御確認ください。

https://www.maff.go.jp/aqs/topix/exkakin_teishi.html

(お問合せ先)

以下の農水省HPを御参照ください。

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_soudan

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以上、情報共有いたします。

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